「長年誰も住んでいない実家、これからどうしよう…」
「親が施設に入居し、家が空いてしまった」
今、新潟市内でもこうした「空き家」に関する悩みを抱える方が増えています。
日本の総人口が減少する中、特に団塊の世代の方々が高齢化し、住み替えや相続が発生することで、空き家は今後さらに増加すると予測されています。
思い出の詰まった家を放置し続けることには、税金の増加や倒壊、地域の治安悪化など、多くのリスクが伴います。しかし、見方を変えれば、空き家は新たな価値を生み出す「資産」にもなり得ます。
こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!
この記事では、空き家を放置するリスクを解説するとともに、あなたの状況に合わせた具体的な7つの活用方法、そして何から始めるべきかのステップを分かりやすくご紹介します。
なぜ空き家を放置してはいけないのか?忍び寄る3つのリスク
「そのうち何とかしよう」と思っているうちに、空き家は様々な問題を引き起こす「負動産」となってしまいます。主なリスクを3つの観点から見ていきましょう。
リスク1:【お金】固定資産税が最大6倍に?「特定空家」の恐怖
最も大きなリスクは税金の負担増です。
通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により、固定資産税が最大で6分の1に軽減されています。
しかし、管理が不十分で倒壊の危険性が高いと判断された「特定空家」に指定されると、この特例から除外され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。
2023年に施行された改正空き家対策特別措置法では、特定空家になる手前の「管理不全空家」でも、固定資産税の優遇措置が解除されることになりました。
つまり、行政からの指導に従わず放置を続ければ、経済的負担は一気に増大するのです。
その他にも、定期的な草刈りや小規模な修繕費など、維持管理費もかかり続けます。
リスク2:【安全】倒壊・火災で加害者に…損害賠償のリスク
老朽化した家屋は、台風や地震で倒壊する危険性があります。
もし隣家を破損させたり、通行人にケガをさせてしまったりした場合、所有者として損害賠償責任を問われることになります。
また、人の出入りがない空き家は放火のターゲットになりやすく、不法侵入者が火の不始末を起こす危険性も否めません。
火災保険に加入していても、適切な管理がされていなかったと判断されると、保険金が支払われないケースもあります。
リスク3:【地域】ご近所トラブルと資産価値のダブルパンチ
雑草が生い茂り、害虫や害獣が発生すれば、近隣住民の生活環境を脅かします。
ゴミの不法投棄場所になったり、景観が悪化したりすることで、地域全体のイメージダウンにも繋がります。
地域のブランド価値が下がれば、あなたの土地だけでなく、周辺の不動産価値まで下落させてしまう可能性も。
「うちの土地の価値が下がったのは、あの空き家のせいだ」といった、深刻なご近所トラブルに発展しかねません。
あなたの空き家はどう活かす?【ケース別】具体的な活用アイデア7選
リスクを回避し、空き家を価値ある資産「富動産」に変えるための具体的な方法を7つご紹介します。
ご自身の状況や想いに合わせて、最適な選択肢を考えてみましょう。
① 売却する:最もシンプルで確実な選択
メリット:
まとまった現金が手に入り、固定資産税や維持管理の負担から完全に解放されます。最も手間が少なく、確実な方法です。
デメリット:
先祖から受け継いだ家や、思い出の詰まった家を手放すことへの寂しさが伴います。
ポイント:
現状のまま「古家付き土地」として売るか、解体して「更地」で売るか、リフォームして価値を高めてから売るか、戦略が必要です。信頼できる不動産会社を見つけることが成功の鍵となります。
② 賃貸に出す:資産を手放さず、安定収入を得る
メリット:
家を手放すことなく、毎月安定した家賃収入を得られる可能性があります。将来的に自分で住む選択肢も残せます。
デメリット:
貸し出すためには、水回りや内装のリフォームなど初期投資が必要です。
また、入居者とのトラブルや家賃滞納のリスクも考慮しなければなりません。
ポイント:
「普通賃貸」と、契約期間を定められる「定期借家契約」があります。
移住者向けのお試し住宅として短期で貸し出す方法も考えられます。
③ リノベーションして活用する:理想の空間を創り出す
メリット:
自分のライフスタイルに合わせて大胆に改装し、理想の住まいを実現できます。
また、「古民家カフェ」「シェアハウス」「アトリエ兼ギャラリー」など、ユニークな物件として貸し出すことで、高い収益性を目指せる可能性も秘めています。
デメリット:
デザインや工事に高額な費用がかかります。専門的な知識が必要なため、設計事務所や工務店との連携が不可欠です。
ポイント:
地域のニーズや特性を分析し、事業計画をしっかりと立てることが重要です。
④ 更地にして活用する:管理の手間を減らし、可能性を広げる
メリット:
建物を解体することで、倒壊や火災のリスクがなくなり、管理が非常に楽になります。
月極駐車場やコインパーキング、資材置き場として貸し出す、あるいは太陽光パネルを設置するなど、土地としての活用法が広がります。
デメリット:
100万円以上の解体費用がかかります。
また、建物がなくなることで固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、税額が上がる点に注意が必要です。
⑤ 地域貢献に使う:コミュニティの拠点として再生
メリット:
収益性は低いものの、地域に貢献することで大きな満足感を得られます。
「子ども食堂」「地域の集会所」「NPO法人の活動拠点」などとして無償または格安で提供することで、地域の活性化に繋がり、社会的な価値を生み出します。
デメリット:
協力してくれる団体や運営者を見つける必要があります。固定資産税などの負担は所有者に残り続けます。
⑥ 「空き家バンク」に登録する:自治体のサポートでマッチング
メリット:
新潟市をはじめ、多くの自治体が運営する「空き家バンク」に物件情報を登録することで、移住希望者など、その地域で家を探している人に広くアピールできます。自治体が仲介をサポートしてくれる安心感もあります。
デメリット:
成約を保証するものではありません。物件の状態によっては登録を断られる場合もあります。
ポイント:
まずは新潟市のウェブサイトで「空き家バンク」の制度を確認してみましょう。
⑦ 0円譲渡・寄付する:最後の手段として手放す
メリット:
「とにかく早く手放したい」「買い手も借り手も見つからない」という場合に有効な手段です。
所有者としての管理責任や税負担から解放されます。
デメリット:
譲渡する相手を見つける必要があります。
また、個人間で無償譲渡した場合、受け取った側に贈与税がかかる可能性があるため、税理士など専門家への相談が必要です。
成功の鍵は「初動」にあり!今すぐ始めるべき3ステップ
どの活用法を選ぶにしても、最初に行動を起こすことが何よりも重要です。
以下の3つのステップで、準備を始めましょう。
ステップ1:【現状把握】家の状態と権利関係をチェック
まずは、家の現状を客観的に把握します。
雨漏りやシロアリ被害、構造の傾きなどはないか?修繕にはいくら位かかりそうか?法務局で登記簿謄本を取得し、土地と建物の名義が誰になっているか、正確な権利関係を確認しましょう。
ステップ2:【家族会議】親族の想いを一つに
相続人が複数いる場合、一人の判断で話を進めることは絶対に避けてください。
「売りたい人」「残したい人」など、意見が分かれると深刻なトラブルに発展します。
全員で集まり、それぞれの想いや考えを共有し、全員が納得できる方向性を見出すことが大切です。
ステップ3:【専門家への相談】一人で悩まない
空き家の活用には、不動産、法律、税金、建築など様々な知識が必要です。
一人で全てを抱え込まず、早い段階で専門家に相談しましょう。
新潟市が設けている相談窓口や、地域の事情に詳しい不動産会社、司法書士など、信頼できるパートナーを見つけることが成功への近道です。
新潟市では、空き家の発生抑制や活用を促進するために、様々な支援制度を用意しています。
ぜひ積極的に活用を検討してください。(※制度内容は変更される可能性があるため、必ず市の公式ウェブサイトで最新情報をご確認ください)
新潟市空き家・古民家相談窓口:
専門家(建築士、宅建士など)が無料で相談に応じてくれます。どこに相談して良いか分からない場合の最初の窓口として最適です。
空き家利活用(リフォーム)補助金:
空き家バンクに登録した物件を、購入者や賃借人がリフォームする際に費用の一部が補助されます。
売却や賃貸を考えている方は、この制度をアピールすることでマッチングしやすくなります。
危険空き家等解体補助金:
倒壊の危険性などが高いと判断された空き家を解体する際に、費用の一部が補助されます。
解体を検討する際には、まず利用できるか確認しましょう。
まとめ:空き家は未来への贈り物。ポジティブな決断を
放置すれば「負動産」となってしまう空き家も、少し視点を変え、勇気をもって一歩を踏み出せば、あなたや家族、そして地域にとって価値ある「富動産」に生まれ変わる可能性を秘めています。
売却、賃貸、リノベーション、地域貢献…。選択肢は一つではありません。
大切なのは、思い出の詰まった家をリスクの種にせず、未来に繋がるポジティブな資産として捉え直すことです。
まずはこの記事でご紹介したステップを参考に、現状把握と家族との対話から始めてみてください。
そして、ぜひ新潟市の相談窓口や専門家を頼ってみてください。
あなたの決断が、あなた自身と地域の未来を明るく照らすはずです。
新潟市の不動産は
『不動産』と『何か』を模索している
にいがたの不動産㈱地産地消の富澤法和です(≡^∇^≡)