【空き家活用】賃貸とリノベーションで「負動産」を「富動産」に変える方法|リスクと優先順位を徹底解説

2025-07-02

空き家


「親から相続した実家、売るのは寂しい」

「空き家をリノベーションして、誰かに貸すことはできないだろうか?」

こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!

住む予定のない空き家を前に、ただ放置するのではなく「活用したい」と考えるあなたへ。その想いは、空き家を厄介な「負動産」から、家賃収入を生み出す「福動産」へと変えるための、大切な第一歩です。

特に「賃貸」「リノベーション」は、空き家活用の王道ともいえる選択肢。しかし、そこには甘い夢だけでなく、知っておくべきリスクと、成功を左右する”勘所”が存在します。

この記事では、空き家を賃貸に出す際の現実的なリスクとその対策、そして、費用対効果を最大化するリノベーションの優先順位を、専門的な視点から徹底的に解説します。



空き家を「賃貸」に出すということ ― 安定収入の夢と4つの現実的リスク



空き家を賃貸に出せば、資産を手放さずに毎月安定した家賃収入が得られます。
人が住むことで家の傷みも遅くなり、将来的に自分で住む選択肢も残せる、まさに理想的な活用法に見えます。

しかし、大家さんになるということは、事業を始めることです。必ず知っておくべきリスクが存在します。

リスク①:空室|最大の敵は「借り手がつかない」こと

最も大きなリスクは、借り手が見つからず家賃収入がゼロになる「空室リスク」です。

どんなに素晴らしい家にリノベーションしても、借り手がつかなければ、固定資産税とリフォームローンの返済だけが重くのしかかります。

アドバイス

適正家賃の設定:
周辺の類似物件の家賃相場を徹底的に調査しましょう。
不動産会社に査定を依頼し、客観的な意見を聞くことが必須です。

ターゲットを絞る:
「学生向け」「ファミリー向け」「単身社会人向け」など、誰に貸したいかを明確にし、その層に響く設備や内装を考えましょう。

リスク②:滞納|家賃が入ってこない悪夢

入居者が決まっても、家賃を滞納されてしまうリスクがあります。
一度滞納が始まると、回収には多大な労力と精神的なストレスがかかります。

アドバイス

家賃保証会社の利用:
今や必須の対策です。入居者には保証会社との契約を条件にしましょう。
万が一滞納があっても、保証会社が立て替えて支払ってくれます。

信頼できる管理会社:
入居者の審査をしっかりと行い、滞納時の督促も代行してくれる管理会社を選ぶことが、リスクヘッジになります。

リスク③:トラブル|入居者との問題、設備の故障

「夜中の騒音がうるさい」といった入居者間のトラブル対応や、「給湯器が壊れた」「エアコンが動かない」といった設備の故障対応は、すべて大家の責任です。
特に設備の故障は、十数万円単位の急な出費につながります。

アドバイス

管理会社への委託:
クレーム対応や緊急時の駆けつけを24時間体制で行ってくれる管理会社に委託するのが最も現実的です。
自主管理は、よほど物件の近くに住んでいて、時間に余裕がない限りお勧めできません。

修繕費の積立:
 家賃収入の5%~10%程度は、将来の修繕費として最初から無かったものと考え、積み立てておきましょう。

リスク④:初期投資と税金|始める前と後にかかるお金


賃貸を始めるには、貸せる状態にするためのリフォーム費用はもちろん、不動産会社に支払う広告料(家賃1ヶ月分が目安)、火災保険料などの初期投資がかかります。
そして、得られた家賃収入は「不動産所得」として、毎年確定申告を行い、所得税と住民税を納める義務があります。

アドバイス

事業計画を立てる:
初期投資にいくらかかり、月々の家賃収入はいくらで、経費(管理費、修繕積立金、税金)を差し引くと、手元にいくら残るのか。必ずシミュレーションを行いましょう。


【最重要】費用対効果で選ぶ!賃貸向けリノベーションの3大優先ポイント



賃貸に出すためのリノベーションは、自分が住むためのリノベーションとは目的が全く異なります。
大切なのは「投資」の視点。かけた費用を家賃として回収できる見込みがあるか、という費用対効果(コストパフォーマンス)が全てです。

なぜ「フルリノベーション」を目指してはいけないのか?

築年数の古い空き家は、あれもこれもと気になり、つい完璧なフルリノベーションをしたくなります。
しかし、それは多くの場合、過剰投資です。

賃貸市場では、新築同様のピカピカな物件よりも、「清潔感」があり、「設備が最低限整っていて」「相場より少し安い家賃」の物件に需要が集まります。

お金をかけるべき場所に絞って投資することが、成功の鍵です。

優先度【高】:水回り(キッチン・浴室・トイレ)

入居希望者が内見で最も厳しくチェックする場所、それが水回りです。
 この部分が古くて汚い、使い勝手が悪いというだけで、即座に候補から外されてしまいます。

キッチン:
最低限、コンロは交換したいところ。古いタイル壁は、キッチンパネルを上貼りするだけで見違えます。

浴室:
最も費用対効果が高いのは、バランス釜から壁掛け給湯器への変更とユニットバスへの交換です。
費用はかかりますが、入居率が格段に上がります。
予算がなければ、浴槽や壁に専用のシートを貼る、水栓金具を交換するだけでも清潔感は出ます。

トイレ:
和式トイレは論外です。必ず洋式に交換しましょう。温水洗浄便座は今や標準装備と考えるべきです。

優先度【中】:安全性と快適性(給湯器・エアコン・窓)

目には見えにくいですが、住む人の安心と快適さに直結する部分です。
古い設備は故障リスクも高く、結局あとで大家負担での交換になるため、最初に投資しておくべきです。

給湯器・エアコン:
10年以上経過しているものは、賃貸開始前に交換しておくのが賢明です。入居中の故障は、入居者の生活に多大な不便をかけ、クレームの元になります。

セキュリティ:
 テレビモニター付きインターホンは、特に女性やファミリー層に喜ばれ、物件の価値を高めます。数万円で設置できる費用対効果の高い投資です。

断熱性(窓):
古いアルミサッシの窓は、冬の寒さや結露の大きな原因になります。既存の窓の内側にもう一つ窓を追加する「インナーサッシ」の設置は、比較的安価で断熱性を劇的に向上させ、光熱費を気にする入居者に強くアピールできます。

優先度【低】:内外装(壁・床・外観)

構造に問題がなければ、内外装は「清潔感」を出すことを目的に、コストを抑えてリフォームしましょう。

壁・床:
全ての部屋を張り替える必要はありません。タバコのヤニや汚れが目立つリビングや寝室の壁紙(クロス)を、明るい白系の量産品に張り替えるだけで、部屋全体が明るく広く見えます。
床も、既存の床の上から貼れる安価なクッションフロアやフロアタイルで十分です。

外観:
高額な外壁の全面塗装は不要な場合が多いです。まずは高圧洗浄で汚れを落とすだけでも印象は変わります。玄関ドアの塗装やポストの交換など、”家の顔”となる部分に少し手を加えるのが効果的です。


どこまで自分でやる?DIYとプロ依頼の境界線





リフォーム費用を抑えるためにDIYを考える方もいるでしょう。
壁の塗装や壁紙張り、簡単な組み立て家具の設置などはDIYでも可能です。

しかし、電気工事(コンセント増設など)やガス・水道の配管工事は、資格が必要な専門領域です。
知識のないまま行うと、火災や漏水の原因となり、取り返しのつかないことになります。

安全に関わる部分は、必ずプロに依頼してください。


新潟市で使える支援制度を活用しよう




自治体によっては、空き家のリフォームや活用に関する補助金制度を設けています。
これらを利用しない手はありません。


新潟市では、市の「空き家バンク」に登録された物件を対象に、リフォーム費用の一部を補助する制度があります。賃貸や売買のために行う改修工事が対象となる場合がありますので、活用を考える際は、まず市の窓口に相談してみることを強くお勧めします。(※制度の詳細は必ず新潟市の公式ウェブサイトで最新情報をご確認ください)

まずは専門家へ相談を

これらの制度の利用も含め、賃貸経営やリノベーションの計画は、一人で悩まず専門家に相談することが成功への近道です。賃貸管理の実績が豊富な不動産会社や、空き家リノベーションを得意とする工務店など、信頼できるパートナーを見つけましょう。


完璧を目指さない。現実的な計画で成功を引き寄せる



空き家の賃貸活用は、魅力的な不労所得のように見えますが、その裏には様々なリスクと大家としての責任が伴います。そして、そのリスクを軽減し、入居者に選ばれる物件にするために有効なのが、費用対効果を考え抜いたリノベーションです。

大切なのは、完璧な家を目指さないこと。

あなたの空き家のポテンシャルと、かけられる予算を冷静に見極め、まずは「水回り」と「安全性」という最優先ポイントから手をつける。そして、信頼できる不動産管理会社というパートナーを見つける。

この現実的な計画こそが、あなたの空き家を「負動産」から、安定した収入を生み出す「金のなる木」へと育てる、最も確実な道筋なのです。


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にいがたの不動産㈱地産地消の富澤法和です(≡^∇^≡)

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富澤法和

資格:宅地建物取引士、空き家相談士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、不動産キャリアパーソン、生成AIプロンプトエンジニア

にいがたの不動産は新潟の富動産を目指します!
私たちは「負動産」という言葉が好きではありません。
にいがたの不動産を通して不動産を売るも買うも「富動産」であってほしいと願っています。

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