空き家の解体費用、金額だけで選ぶと大後悔!「不動産会社経由」が絶対安心な3つの理由

2025-07-04

空き家


「実家を相続したけど、もう誰も住まないから解体したい。費用はいくらだろう?」
「ボロボロの空き家、解体して更地にすれば売れるかな…」

こんにちは。
新潟の不動産売買専門店「にいがたの不動産」の富澤です!

空き家の解体を考え始め、まず気になるのはやはり「費用」ですよね。
インターネットで検索し、1円でも安い業者を探そうとするのは、ごく自然なことです。

しかし、お待ちください。
その「安さ」だけで解体業者を選んでしまうと、数年後に何百万円もの損失を被る、最悪の事態を招きかねないことをご存知でしょうか?

空き家の解体は、ただ建物を壊すだけの単純な作業ではありません。
それは、次の所有者へトラブルなく土地という資産を引き渡すための、極めて重要な「準備」なのです。

この記事では、解体費用の相場を解説するとともに、なぜ解体業者を自分で探すよりも「不動産会社」を通して依頼する方が、結果的に圧倒的に安心で、賢い選択なのか、その決定的な理由をプロの視点から徹底的に解説します。


【まず相場を知る】空き家の解体費用、我が家の場合はいくら?



具体的な話に入る前に、まずは費用の全体像を把握しましょう。
解体費用は、大きく3つの要素で構成されています。

費用の3大内訳

1. 本体工事費:建物を壊すための費用。足場設置、養生シート、重機による解体作業、基礎の撤去などが含まれます。
2. 付帯工事費:建物本体以外の撤去費用。ブロック塀、カーポート、庭木、庭石、物置などの撤去がこれにあたります。
3. 諸経費:上記以外の費用。アスベスト調査費用、廃棄物運搬・処理費用、重機の回送費、官公庁への届出費用などが含まれます。

◆構造別・坪単価の目安

一般的に、解体費用は「坪単価 × 延床面積」で概算されます。
構造が頑丈になるほど、坪単価は高くなります。

木造:4万円~6万円 / 坪
鉄骨造(S造):6万円~8万円 / 坪
鉄筋コンクリート造(RC造):7万円~10万円 / 坪

例えば、延床面積30坪の木造住宅であれば、
坪単価5万円 × 30坪 = 150万円
これに付帯工事費や諸経費が加わり、総額で180万円~250万円程度が一つの目安となります。

費用が大きく変動する4つの要因

ただし、上記はあくまで目安です。
以下の要因によって費用は大きく変動します。

1. 立地条件:
前面道路が狭く重機が入れない場合、手作業が増えるため費用は高騰します。

2. アスベストの有無:
2006年以前の建物にはアスベストが含まれている可能性があり、その除去には専門的な作業が必要で、数十万~百数十万円の追加費用がかかります。

3. 付帯工事の量:
立派な庭や大きなブロック塀がある場合、その撤去費用はかさみます。

4. 残置物の量:
家の中に家具や家電が多く残っていると、その処分費用が別途かかります。


【本題】なぜ「不動産会社経由」の解体がベストなのか?3つの決定的理由



費用の相場が分かったところで、本題です。
なぜ、1円でも安い業者を自分で探すより、不動産会社に紹介してもらう方が良いのでしょうか。
それは、目先の数万円をケチった結果、将来何倍もの損失を被るリスクを回避できるからです。

理由①:仕事の「質」がまるで違う ― プロ同士の継続的な関係性

これが最も大きな理由です。考えてみてください。
あなたが直接依頼する解体業者にとって、あなたとの取引は、おそらく一生に一度の「一回きりの仕事」です。

一方、不動産会社が紹介する解体業者にとって、その不動産会社は、今後も多くの仕事を紹介してくれるかもしれない「継続的な取引先」です。

この関係性の違いが、仕事の質に天と地ほどの差を生みます。

一回きりの仕事であれば、「少しくらい雑でも、安く早く終わらせればいい」という心理が働くかもしれません。
しかし、継続的な取引先からの仕事であれば、「下手な仕事をしたら、二度と紹介してもらえない」という強い緊張感が働きます。

結果として、不動産会社経由の業者は、
・騒音や粉塵が飛ばないよう、丁寧な養生を行う
・工事車両の駐車マナーが良い
・工事後の整地がきれい
・近隣住民への配慮が行き届いている

といった、質の高い仕事をしてくれる可能性が格段に高まるのです。

理由②:「売却」を見据えたトラブルの芽を摘むプロの段取り

不動産会社は「解体して終わり」とは考えていません。
その先の「土地をトラブルなく売却する」ことまでを一つのゴールとして見据えています。
そのため、解体前の段取りが素人とは全く違います。

近隣挨拶の質:
ただ「工事します」とタオルを持って挨拶するだけではありません。
工事の期間、作業時間、車両の出入り、緊急連絡先などを記載した書面を用意し、丁寧にご説明します。
これが、後の「うるさい」「邪魔だ」といったクレームを防ぎ、円満な売却に繋がります。

境界確定測量の実施:
不動産会社は、多くの場合、解体前に「境界確定測量」を推奨します。
「お隣との境界は、このブロック塀だ」と思っていても、実は違っているケースは少なくありません。

解体前に境界をはっきりさせておくことで、「隣の塀まで壊された」「うちの土地に越境している」といった、泥沼の紛争を未然に防ぐことができるのです。

理由③:最悪の悪夢「契約不適合責任」からあなたを守る

これが最も重要で、素人では対処が難しい問題です。
詳細は次章で解説しますが、不動産会社は、売却後にあなたが予期せぬ責任を負わされるリスクから、あなたを守ってくれます。

「契約不適合責任」とは?解体後の土地売買に潜む最大の罠



少し専門的な話になりますが、絶対に知っておいてください。

契約不適合責任」とは、売却した不動産に、契約書に書かれていなかった欠陥(不適合)が後から見つかった場合、買主が売主に対して、修理や代金減額、契約解除、損害賠償などを請求できる権利のことです。

もし売却後に「地中埋設物」が見つかったら…

更地にして土地を売却した際に、最も恐ろしいのがこの契約不適合責任です。
買主が家を建てようと地面を掘り返したら、地中から昔の建物の基礎やコンクリートガラ、浄化槽、井戸といった「地中埋設物」が出てきたとします。

これは、契約書に記載がなければ、まさに「契約不適合」です。
買主はあなたに対して、「この撤去費用を負担してください」と請求してきます。

その費用は、ケースによっては百万円単位になることもあります。
「安く解体できた」と喜んでいた利益など、一瞬で吹き飛んでしまうのです。

不動産会社が果たすリスク回避の役割

では、不動産会社はどうやってこのリスクから守ってくれるのでしょうか。

リスクの予見:
土地の登記情報や古い地図、周辺環境などから、「この土地は昔、工場だった可能性があるから、何か埋まっているかもしれない」といったリスクを予見します。

解体業者への指示:
リスクが予見される場合、解体業者に「通常より深く掘って、地中を確認しながら作業してください」といった、プロならではの具体的な指示を出します。

契約書への明記:
万が一に備え、売買契約書に「地中埋設物については、売主は責任を負わない」といった特約を、買主の合意のもとで盛り込む交渉をしてくれる場合もあります。

このように、不動産会社は長年の経験と知識でリスクを先読みし、あなたが見えないところで防御壁を張ってくれるのです。

賢いパートナー選び―どんな不動産会社に相談すべきか?



「不動産会社ならどこでも良い」というわけではありません。
以下のポイントを参考に、信頼できるパートナーを選びましょう。

選ぶべきは「土地売買」に強い会社

賃貸仲介やアパート管理をメインにしている会社ではなく、土地や戸建ての「売買」を専門的に扱っている会社を選びましょう。
そうした会社は、地域の優良な解体業者との太いパイプを持っており、土地売買特有のトラブルへの対処ノウハウも豊富です。

解体から売却まで「ワンストップ」で任せるメリット

解体、測量、売却活動、契約、登記までを一つの窓口で相談できる会社が理想です。

手続きの手間が大幅に省け、あなた自身が解体業者や測量士と直接やり取りする必要がありません。
また、解体費用を売却代金から支払う(相殺する)といった資金計画の相談にも乗ってもらえます。


相談から更地になるまで ― 解体工事の全ステップ



不動産会社に依頼した場合の、一般的な流れを掴んでおきましょう。

1. STEP1:
不動産会社への相談:現状を伝え、解体して売却したい旨を相談します。

2. STEP2:
現地調査と解体業者の選定・見積もり:不動産会社の担当者が現地を確認し、提携する複数の解体業者から見積もりを取ります。

3. STEP3:
解体業者との請負契約:内容と金額に納得したら、解体業者と工事請負契約を結びます。(不動産会社がサポートしてくれます)

4. STEP4:
事前準備(各種届出・近隣挨拶):建設リサイクル法の届出などを不動産会社や解体業者が行い、近隣への挨拶回りも実施します。

5. STEP5:
解体工事の実施:足場を組み、養生シートで覆い、安全第一で工事を進めます。

6. STEP6:
完了確認と建物滅失登記:工事が完了し、きれいな更地になったことを確認。その後、法務局へ「建物滅失登記」を申請します(通常は土地家屋調査士に依頼)。


まとめ:賢い解体は「未来の買主」への最大の誠意。信頼できるパートナーと始めよう



空き家の解体は、単に物理的な建物をなくす行為ではありません。
それは、あなたが大切にしてきた、あるいは受け継いだ土地という資産を、次の所有者へ「安心」という最高の付加価値をつけて引き渡すための、未来への準備です。

目先の解体費用だけを見て業者を選び、後からトラブルに見舞われれば、金銭的にも精神的にも大きなダメージを受けます。
それは、未来の買主にとっても、そしてあなたにとっても、不幸な結果しか生みません。

だからこそ、仕事の質を担保し、トラブルを未然に防ぎ、法的なリスクからもあなたを守ってくれる「不動産会社」というプロのパートナーを間に挟むことが、最も賢明で、誠実な選択なのです。

まずは、あなたの地域の土地売買に強い不動産会社を探し、「解体して売却したい」と相談することから始めてみてください。
それが、長年の懸案だった空き家問題を解決し、あなた自身の未来を軽やかにするための、最も確実な第一歩となるはずです。

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にいがたの不動産㈱地産地消の富澤法和です(≡^∇^≡)

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富澤法和

資格:宅地建物取引士、空き家相談士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、不動産キャリアパーソン、生成AIプロンプトエンジニア

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